野菜を育てよう

毎年この時期になると、年長さんは夏野菜を育てます。

野菜に季節がある事や、どんな環境で育てたら良いかなど、子ども達と考えます。
わからない事があると、お家でお父様やお母様に聞いてきたり、一緒に調べて頂いたりして、ただ苗を植えて水をあげるというのではなく、一つ一つ問題を解決しながら育てていく過程で、様々な経験ができるようにしています。

野菜が苦手のお子さんも多いですね。
そんなお子さんも、自分で育てた野菜なら食べるかもしれません。

幼稚園では、できた野菜を塩もみにして食べる事があります。
年長さんが育てていることを、小さい子ども達も知っているので、「これは年長さんが作ってくれたきゅうりとナスです。今日は、お塩でモミモミして塩もみにしました。みなさん食べて下さい。」と、お給食の時にお部屋に持っていくと、大喜びで「美味しいー」と食べてくれます。
ほんの一口ずつですので、また美味しさが格別なのかもしれません。
いつもは嫌いと言って食べないお子さんも、大好きな年長さんが作ったと聞くと、食べてみようと思ってくれるのか、おそるおそる食べ、「美味しかった」とニコニコして言ってくれる事もあります。
幼稚園で食べた後、お母様に「美味しかったから作って」とリクエストするお子さんもいて、お母様が驚いて「どうやって作ったのですか?」と聞いて下さる事もあります。

野菜の中でも、トマトやなす、ピーマンなどは比較的育てやすく、よく実もなります。
きゅうりは、風通しの良いところに置かないと、病気になりやすいので注意が必要です。
大きくなってくると、お花が咲きますが、野菜によって花の色が違うことに気づきます。
お花が咲くと、やがて実がなります。
小さな赤ちゃんのような実ができると、お子さんは大喜びします。
他の野菜に比べて、きゅうりは花が咲いても必ず実がなりません。
ですから、赤ちゃんキュウリができると、ワクワクします。
細く可愛いキュウリがどんどん大きくなっていくのは、とても嬉しいものです。

いつもスーパーなどで野菜を買っているので、野菜は見た事がありますが、お子さんは野菜がどういう風に育っていくのかや、育てる大変さなどは知りません。
でも、自分が毎日水をあげたりお世話をすることで、野菜を作る人のことを考えたり、できた野菜を大切に食べようなど、感謝の気持ちも芽生えます。

豊かな時代に育っている子ども達に、そういう経験をさせてあげることも大切ですね。

野菜に興味がでてきたら、土の上にできる野菜と土の下にできる野菜について考えたり、花の色と実の色の違い、葉っぱの形、野菜を食べにくる虫など、様々なことに興味が広がります。
そんな時に、親子で図鑑を見ると更にいろいろな事を知る事ができ、お子さんもお母様も楽しいと思います。

生活経験の中で、そういった知的な好奇心を育て、実体験を通して様々な知識を得る事が幼児期にできると、小学校へ進級してからの学びが変わってくるでしょう。

お子さんと一緒に苗から野菜を育ててみてはいかがでしょうか?

2020年05月30日