ゲーム

ゲームというと皆さんはどのようなゲームを思い浮かべますか?

お正月など親戚が集まった時、大人数で遊んだ楽しい思い出があると思います。
すごろくやトランプ、かるたなど、みんなで一緒にやるからこそ楽しいゲームが沢山あります。

このようなゲームは、順番にサイコロを振ったり、自分の番がくるまで待ったり、よく聞いたり覚えたりしなければならないことが多いので、ゲームをやることで自然に学んでいることも多いのです。

すごろくは、出たサイコロの目の数だけ自分のコマを進ませますが、小さいお子さんには自分のコマのある所の次のマスから1と数えることが難しかったり、同じところを何回も数えたりして、数の概念の基本である1対1対応が初めのうちはできないことがあります。

子どもは、1から100まですらすらと口で言うことができても、物を数えられるかというと1対1対応ができていないと、数えることはできません。
ですから、口で唱えることと数を数えられることは違うのです。

サイコロは数が数字では書いてありません。
ですから、サイコロを振ると慣れないうちは一つ一つ目を数えて幾つが出たのかを確かめながらゲームを進めます。
そうやって数を目で確かめながらやっていくうちに頭の中に少しずつサイコロの目の数が思い浮かぶようになってくるのです。
又、サイコロは表面と裏面の数字を合わせると必ず7になります。1が出たときの裏の数は6、2の裏は5、3の裏は4と、子どもは遊びながら頭の中で目の数を数えたり、サイコロの裏の目の数を想像できるようになります。

小学校に入学するまでに、1から10までの数を頭の中で操作できるようにしておくと、算数を苦手に思わないようになります。
生活の中でも、おやつを配らせたり、お食事の際にお皿を人数分運ばせたりして、数を数えるということを意識して生活の中に取り入れていくと、自然にそのような力が身についていきます。

また、楽しくみんなで遊ぶには順番も待たなければなりません。
人によって、サイコロを振ったり、コマを動かすのにかかる時間が違いますから、自分の番が回ってくるまで、人がやることをじっと見て待つことも必要です。
さらにはゲームには勝ち負けがあるので、悔しい思いもするでしょう。負けたことが悔しくて涙を流したり、怒ってやめてしまうこともあるでしょう。
しかし、負けるという経験も大切なのです。次は、絶対負けないという諦めずに取り組む意欲にもなりますし、自分の気持ちをコントロールする力も育ちます。

そういった全ての経験が、子どもには学びになります。
ゲームを通して、楽しく遊びながら自然に数の概念や我慢すること、人に合わせることなど、様々なことを学んでいるのです。

今は様々な選択肢がありますが、一人で遊ぶ電子機器のゲームよりも、昔ながらの大人数で遊ぶゲームの方が、子どもにとっても大人にとっても好ましいのではないでしょうか。

2020年05月03日